見ず知らずの、縁もゆかりもない人。
義理もなければ義務もないその人に、貴重な自分の時間とエネルギーを使う意味が果たしてあるのか?
道に迷い困っている人。
助けることはできないし、そんなのおこがましい。
目の前にはやるべきことがたくさんあって、その人にかまっている時間はない。そしてその必要すら全くないし、何の利益にもならない相手。
無駄なことをしている、と誰もが思うだろうな・・・私もそう思う。
「何やってんの?」
「こんなことしてる暇ないよね?」
「何の得にもならないでしょ?」
と、頭の声が聞こえ、途中で何度も手が止まった。
コスパ的にも最近よく言われるタイパ(タイムパフォーマンス)的にも全くの無駄であり、ビジネスとしては「正しくない」ことかもしれない。
でも、砂漠で喉が渇いてふらふらになっている人に、
「あっちに行けば泉がありますよ」
と伝えるために、少しの間、手をとめて自分の時間を割き、迷わず辿り着けるように地図を書いて渡す……たとえ何の利益にならなくても。
だって私、泉の場所、知ってるんだもの。
そして喉が渇いて歩けない苦しさも、誰に相談していいかわからない孤独も。
分かち合うことの方が、私には大事なんだな……これからもそういう人で在りたい。
迷ってブレブレになりながらも、そんなことを思った日。