「こだわり」や「〜〜主義」等のような、個人が大切にしている考えや価値観。
大袈裟なものでなくても、誰もがなんらかのものを持っていると思います。
買い物するときの判断材料になったり行動の基準となったり、もっと大きく捉えると、生き方の大元や前提にもなるものです。
そんな「こだわり」「〜〜主義」が行き過ぎて「〜〜至上主義」や「〜〜信仰」になったとき、それは絶対的な正義と化し、それ以外の考えや価値観を排除しようとしたり、特に対極の考え方を受け入れ難いものとして否定する…
そんな「対立」の構図が、21世紀になっても至る所で起きています。
ロシアによるウクライナ侵攻も、アメリカ大統領選挙も、コロナ禍でのワクチン推進派と反対派の分断も、「どちらが正義か」という「対立」の構図。
「食へのこだわり」から無農薬や有機栽培、オーガニック食品等を選び、農薬や添加物を避けるという生活スタイルの人は多いと思います。
また、人間が本来持つ自然治癒力を大切にする考え方や、対症療法の西洋医学よりも身体の内側に根本原因があると考えアプローチする東洋医学を重んじる人も多いことでしょう。
私も昔からその傾向があるので、人工的なものより自然なものを選びたいし、できれば添加物は摂りたくない。化学調味料をなるべく使わずに日々の調理をしたいし、地産地消の食生活を大事にしたい。
また病気のときには、
例えば「発熱」は、身体に侵入した異物に対して免疫システムが正常に機能している証なので、薬で下げるのではなく熱に異物(ウィルスや細菌)をやっつけてもらおう!という考えです。
同様に、「下痢」も身体に侵入した異物を早く排泄しようとする臓器の働きなので、下痢止めで止めるのではなく、水分補給をしながら身体に任せて排泄するというのがお腹を下したときのいつもの対処法です。
でもだからといって、
「添加物の入った食品は、身体に入れない!」とか、
「薬は、絶対に飲まない!」とか、
「自然な免疫が一番なんだから、ワクチンなんて必要ない!」
という考えは、私は好きではありません。
だって、それこそ「こっちが正しい!」「あっちは間違ってる!」「こちら vs あちら」という対立の構図だから。
私はその土俵には乗りたくない。
農薬や添加物等の化学物質も、様々な薬品やワクチンや抗生物質も、その目的は「人間をサポートする」もの。もしもこれらが全く存在しなかったなら、おそらく人類はここまでの発展を見なかっただろうし、自然治癒力だけでは現在まで生きながらえることはできなかったと思うのです。
それらが生まれた背景には、「命を救いたい」「人の労力を減らしたい」という想いと他者への愛が根底にあるはずで、
そういった先人たちの英知の積み重ねによって人類は脈々と命を繋ぎ、今この瞬間も私たちは生きているのだ…と私は思っています。
だから、自然治癒力を高めたり自分の免疫機能を大切にすることに重きを置いた上で、それだけでは太刀打ちできないと判断したときには薬やワクチン、抗生剤に助けてほしいし、時には添加物の入った食品類にも食生活を手伝ってもらう…
そんな生活スタイルが私は好きだし、自分にフィットすると感じています。
私には、漫画「刃牙シリーズ」に出てくる「毒も喰らう、栄養も喰らう」が、とてもしっくりくる言葉。
防腐剤…着色料…保存料… 様々な化学物質 身体によかろうハズもない。しかし、だからとて健康にいいものだけを採る。これも健全とは言い難い。毒も喰らう 栄養も喰らう。両方を共に美味いと感じ血肉に変える度量こそが食には肝要だ。
(引用:秋田書店 週刊少年チャンピオン「刃牙シリーズ」より)
名言だなぁと思います。