「ねえねえ、お母さんって、どんな人?」
もうかなり前のこと、親しい友人に「お母さん」について聞いてみたことがあります。
その友人はとても美人でかわいくて、おまけに性格もいい!(ここ重要です)さらに責任感もあるし、人付き合いも気配りも上手。みんなから好かれるタイプです。
いったいどんな風に育てたら、真っ直ぐ成長して彼女みたいになるんだろう?と、当時子どもを保育園に預けて働いていた私は、彼女の「お母さん」に興味津々。
で、どんな人か尋ねてみたんですね。
「えー?普通だよ。」
と言いながら、子ども時代の話など教えてくれたのですが、
その中に「これだ!!!」と特に響くエピソードがあって、それ以来、私は彼女のお母さん(Aさん)のような母親になりたいと、ずっと意識してきました。
そのエピソードが、こちらです。↓
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それは彼女が第一子を出産し、夫婦で彼女の実家に帰ったときのこと。
赤ちゃんが泣き止まない…
何をしても泣き止まない…
ありとあらゆる手を尽くしたのに、泣き止んでくれない…
もうこれ以上、いったいどうしたら?
慣れない新米ママの彼女と旦那さま、疲れ果て途方に暮れて、赤ちゃんを床に寝かせたまま、ふたりでただ泣いてる我が子をぼーっと見つめるしかなかったそうです。
2階にいてあまりの孫の泣き声に、いったいどうしたのかと降りてきたお母さん(Aさん)が、部屋をそっと覗いてみると……
そこには、泣いている孫と、灯りも点けず暗い部屋の中で、ただ座って見つめている娘と娘婿の姿。
するとお母さん(Aさん)は、
そのまま、またそーっと戸を閉めて、静かに2階へ戻っていったとのこと。
後から笑い話として「あのときはね〜」と、話してくれたそうです。
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これ、凄いことですよね。
なかなか出来ないと思う。
だって、どうしたって声をかけたり手を出したくなるもの。
「信じて見守る」
親の愛情のかけ方として、理想を見せてもらったような気がして、このエピソードは私の中に強烈に刻まれました。
私も、こんな風にただ信じて見守ってほしかった…
過干渉な母に育てられた私は、Aさんのような母親になりたいと、「信じて見守る」を常に意識していたように思います。
(母の過干渉さも、今はようやくありがたく受け止められるようになりました)
そして時は流れ、その話を聞いたとき保育園児だったうちの娘も、今年の春から大学生になります。
先日書いた、娘の成長記事。
そしたら、なんと!!!
友人のあのエピソードで泣いていた、あの「赤ちゃん」が!
今や立派に成長し、未来を担う頼もしい青年となった「彼」が!
この記事について、SNSで共感コメントをくれたのです!
こんなことってあります!?
嬉しいという言葉ではしっくりこない、なんて表現していいかわからない…ただただ、感慨深い。
Aさんの想いが娘へ、そしてその子どもへ。
そしてまた、友人である私へ、また私の子どもへ。
親の「愛」が、世代間を流れていくようで。
奇跡のようでいて、とても自然なことにも思える。
きっと「彼」は、いつか父親になったとき、
当たり前のように、子どもを「信じて見守る」のでしょう。
人間って、なんだかとっても素敵です。