このままでは終われない。
普段は穏やかで静かだけど、
珍しく何かに駆り立てられるみたいな気持ちになった、そんな出来事が起きた。
「演じるコミュニケーション・ゼミ」
「演劇」をモチーフにコミュニケーションを学ぶという、ユニークな企画のゼミ。
ひとつの演目を作っていく過程で、参加者はそれぞれに抱えている課題に何らかの答えやヒントを見いだし持ち帰るというスタイルで、私は昨年に続いて2回目の参加だった。
そして迎えた本番で、それは起きた。
今回私がいただいた役は、主人公の少年。
少年・・・
男の子・・・
はい?
???????
年齢も年齢だし、声も高いし、
どう考えても、少年には程遠い・・・
(-_-;)
そして……あのときと同じシチュエーション。
30年ほど前の、声優の養成所時代の卒業公演。
主人公の少年。
できれば思い出したくない過去。
思い出すだけで、胸の辺りに嫌な感覚が出てくる。
当時の私は、役に立っていない自分には存在価値なんてないと思っていた、まさに「自己否定の塊」で。(無意識なので、自分は気付いてない)
だから主役をいただいて嬉しい、というより、
私なんかがごめんなさい
嫌われないようにしなくちゃ・・・
せめてみんなの邪魔をしないように・・・
でないと、ここにいられなくなる
明るくふるまってはいたけれど、
「自己否定の塊」は、そのまま「遠慮の塊」となり、
小さく小さく縮こまったまま、達成感もなく卒業公演は幕を閉じた。
私には存在価値がない、私は邪魔な存在(自己定義のビリーフ)
↓
みんなの邪魔をしなければ、存在していい(その対策としての、行動のルール)
↓
邪魔しないよう遠慮する、小さくなる(ルールに基づく行動)
↓
誰からも嫌われずに存在できた(行動の結果)
今だからわかる、潜在意識の中に潜むビリーフ(負の思い込み、自己定義の観念)の、見事なまでの生き残り戦略!
この辺りの心の仕組みについてはこちらへ、
なーんてリンク貼ろうと思って過去記事探したら、きちんと整理して書いてる記事が1個もなかった(認定試験、落ちるわけだ・・・)
(-。-;
今回の稽古が始まった頃、天浪院スタッフの山本さんと、
「男の子の役って、やったことあります?」
「あります・・・けど、・・・あんまりいい思い出じゃないんですよね。だから、今回の役で払拭します!」
と、そんな会話もあった。
その後は、少しずつ少年役の輪郭が見えてきて深まっていったものの、
本番直前になっても、指導して下さる中島雪絵先生からは、
「どうしてもまだ女子っぽいんだよなあ・・・・・・、かわいいんだよねえ・・・」と、
私の『男の子に見えない問題』が課題のまま残ってしまった。
しょーがないよね、だってかわいいから……(おい)
そして迎えた本番。
男の子に見えなくってもいいや、と開き直って臨み、順調に進んでいたものの、大事なシーンでありえないことが起きてしまった……
少年のずっとフタをしてきた悲しみが、抑えきれなくなってあふれ出すその大事な場面で、
いつもなら自然に湧いて来るはずの感情が、ほとんど湧いてこなかった、内側から上がってこなかったのだ。
稽古ではいつもぼろぼろ泣いてたのに!?
娘からわざわざウォータープルーフのアイライナー借りたのに!?
出てきたのは鼻水だけ。
意味ねーじゃん!
出番が終わって裏へ引っ込んでから、
いったい何が起きた?
私……どうしちゃったの?
と、血の気が引いたみたいに固まってしまった。
カーテンコール(終了後の挨拶)さえ、出て行きたくないと思った。
それでも無理やり笑顔を作って最後まで終え、観に来てくれた友人たちにお礼を言って(でも何を話したかも覚えてない)、
打ち上げも頑張ってテンション上げて(上げたつもりだけど低かった…)、
翌日、目が覚めたら……
ぼろぼろと泣けてきた
(T_T)
今頃なんだよ、もうっ!
悔しいのと情けないのと自分に腹が立つのと、他にもなんだかわからない感情が、どわ~~~っ!と押し寄せてきて。
あ〜〜〜!
なんて情けない!
かっこ悪っ!!!
\(>o<)ノ
それでも、そんなかっこ悪い自分、できない自分、ダメな自分にもOKを出して前に進むには……
さらけ出して、
笑い飛ばすしかない!
(〜 ̄▽ ̄)〜
ということで、これを書いています。
お付き合いくださり、ありがとうございます。
こうしてまた次へと、進化して行けたらいいな。
打ち上げのとき、先生に聞いてみた。
「なんで私がこの役だったんですか?」
「他の役ならできそうだったし。簡単なところには配置しない。」
私だけでなく、他のメンバーもみんな、
敢えて苦手なところ、殻を破るために必要なところ、
次に進むために挑戦させるところに配置されていた。
そんな、
人を成長させようとする空気が、ここにはあるんだな。
だから、成長したくない人や現状維持が好きな人は、
ここ(天狼院書店)には来ない方がいいよ。