夢のような時が過ぎた。
8月からスタートした演劇のワークショップ。先日、無事に公演発表会を終えることができました。
この期間、仕事や日常生活を淡々とこなしながらも、意識はどこか異世界へ飛んでいってたみたい。気づけば、ブログも8月の初参加の記事で止まってたし。
もう二度とやらないし、近づくこともない・・・
そう決めていた芝居の世界に、「怖い」ままでもう一度足を踏み入れてみた。
昔は感情や感覚にフタをしていたから、頭(思考)で全てを作って表現することしかできなくて、
「ロボットみたい」
「機械が演じてる」
ってよくダメ出しされてた・・・
でも当時はフタをしていることにも気づいてないから、
何を言われているのかも理解できなくて。
心が壊れたのをきっかけに、
心の仕組みを学んで、自己探求が進んで、フタが外れて、
人一倍繊細な自分を思い出して・・・
「あー、私、元々こういう人間だった!」
と、まるで元に戻ったような、振り出しに戻ったような感覚になった今。
もし今、もう一度やってみたら、いったいどんな感じでできるんだろう?
と、人体実験のようなつもりで参加して、約2ヶ月。
使っていなかった回路に通電したような、混乱した感覚と、
「今ここ」に集中する瞬間の連続と、
頭(思考)を使わなくても、自然に勝手に上がってくる感情と、
ようやく息ができるような感覚を味わった。
皮膚呼吸する生き物なのに、皮膚呼吸できてなかったな、みたいな。
えら呼吸する生き物なのに、えら使ってなかったな、みたいな。
舞台は、誰かひとりが欠けても成り立たない世界。
ひとりひとりに役割があり、各自が自分の責任を果たす。
もしも誰かがミスしたら、誰かがフォローする。
そこには、
自分への信頼と、
仲間(他者)への信頼と、
観客と場(世界)への信頼があればいい。
それらの信頼の上に、
自分の役割に集中し、相手とのコミュニケーションをとりながら、観る人の視点を頭に入れ俯瞰した自分も存在させる。
そしてその世界を楽しみながら物語を紡いで、観る人に楽しんでもらう。
なんて高度なコミュニケーション能力を必要とする行為だったんだ!
自分への信頼も他者への信頼も、もちろん世界への信頼もなかった当時の私には、
そりゃあ、無理だわ。。。
「怖い」と混乱から始まった今回の体験は、
次第に「もしかして、私楽しいのかな?」に変わり、
本番前日には、ワクワクした待ち遠しい気持ちへと移っていった。
それは、「大丈夫」ワールド。
「絶対に上手くいく!」とか「失敗しない自信がある!」とか、そんなのとは違う。
やらかしちゃっても大丈夫、誰かがフォローしてくれるから。
誰かがミスしても、まあ、私もなんとか拾えるでしょ。
観てる人たちも、みんな優しいから笑ってくれるはず。
何が起きても起きなくても、それはきっと大丈夫。
そんな穏やかな安心感に包まれて、本番は過ぎていきました。
「大丈夫」ワールドを全身で体験できた私だから、この先もたぶんきっと大丈夫。
貴重な体験をさせてくれた、全てに感謝。
先生、スタッフのみなさま、一緒に過ごしたユニークで素敵な人たち。ありがとうございました!
そして、「怖い」けど行動したあの日の自分にも、ありがとう。(*^_^*)